F-RevoCRMの導入コンサルティングサービスは、CRMの導入が形だけで終わらず、実際に社内で使われ、業務改善に結びつくことを目的とした支援サービスです。

CRM導入はシステムを導入するだけでは完結しません。要件の整理や現場への定着、関係者間の認識合わせなど、運用を見据えた計画とサポートが必要です。

目次
  1. CRM導入に関するよくある課題
    1. CRM導入でつまずきやすいポイントは?
    2. よくある失敗とその要因
  2. F-RevoCRMの導入コンサルティングとは?
    1. サービスの目的と特徴
  3. 他の支援サービスとの違い
    1. 導入コンサルティングとPoCの比較
    2. システム要件定義・開発支援との違い
  4. なぜ導入コンサルティングが必要なのか?
    1. 導入コンサルティングは失敗を防ぐ仕組み
    2. 「やる/できる/やらない」の要件整理とは?
  5. コンサルティングで実施する4つのアクション
    1. 決める:要件の明確化と優先順位付け
    2. 見える化:業務フロー・設定の共有
    3. 残す:意思決定と検討内容の記録
    4. つなぐ:開発・運用を一貫して支援
  6. 一気通貫体制によるメリット
    1. 情報断絶の回避
    2. 設計方針の一貫性
    3. スピード感と調整負荷の軽減
  7. 導入ステップと期間の目安
    1. 導入コンサルティングの所要時間
    2. セッションの進め方と構成例
  8. 導入後のサポート体制について
    1. 保守・運用サポートの継続性
    2. 追加要件への対応と見直しの柔軟性
    3. オンプレミス環境への対応
  9. よくある質問
    1. Q導入コンサルティングは必ず必要ですか?
    2. Qコンサルティング期間はどのくらいかかりますか?
    3. Qコンサルティングの途中で方針を見直すことは可能ですか?
    4. Qコンサルティング後に別のチームが引き継ぐ場合、情報はちゃんと共有されますか?
    5. Qオンプレミス環境でも導入コンサルティングは利用できますか?

CRM導入に関するよくある課題

CRMは、営業活動の効率化や顧客対応の質を高めるための重要な仕組みです。しかし、導入の過程で課題が生じ、最終的に現場にうまく馴染まず、使われないまま運用が止まってしまうケースも少なくありません。

CRM導入でつまずきやすいポイントは?

CRM導入を検討する段階では、多くの企業が次のような不安を抱えます。これらは導入前にきちんと整理されていないと、プロジェクトが途中で迷走する原因になります。

目的が明確ではない

「営業を効率化したい」といった漠然とした理由でスタートすると、導入後に何をもって成功するかが曖昧になり、判断がブレやすくなります。

現場の業務と合うか不安

システムが現場の実務にフィットしない場合、「入力が手間」「結局使わない」といった声が出やすく、定着しづらくなります。

関係者の足並みがそろうか心配

営業部門だけでなく、マーケティングやカスタマーサポートなど複数部門が関わる中、目的や優先順位にズレがあると、難航しやすいです。

これらはあくまで導入前の「よくある懸念」ですが、放置して進めると後の混乱につながります。

よくある失敗とその要因

CRM導入が形だけで終わり、現場で活用されないまま運用が止まってしまうケースも少なくありません。以下は実際によくある失敗例とその背景です。

プロジェクトが途中で迷走した

要件の優先順位が決まらないまま進めた結果、関係者の意見が割れて方針が決まらず、プロジェクトが長期化

仕様追加が止まらず、納期と費用が膨らんだ

初期設計が曖昧だったため、あとから「これも必要」と機能追加が続き、開発工数が膨らんでしまう。

現場で使われなかった

実際の業務フローに即していなかったり、導入目的が現場に共有されていなかったことで、入力や利用が定着せず、形骸化してしまう。

こうした失敗は、どれも「導入前の準備不足」「関係者間のズレ」が原因です。導入を単なる“設定作業”と捉えるのではなく、業務設計と意思決定のプロセスとして捉えることが重要です。

F-RevoCRMの導入コンサルティングとは?

F-RevoCRMの導入コンサルティングは、CRMを自社に適切な形で導入し、現場で活用できる状態まで引き上げることを目的とした支援サービスです。システムの初期設定や機能説明にとどまらず業務フローの整理、要件の優先順位付け、社内の定着支援までを一貫してサポートします。

CRMは単なるシステム導入ではなく、業務のやり方そのものを見直す取り組みです。そのため、導入段階での計画と意思決定が、その語の成果を大きく左右します。F-RevoCRMの導入コンサルティングでは、その土台づくりを丁寧に支援します。

サービスの目的と特徴

このサービスの目的は、F-RevoCRMを単に導入するのではなく、「活用できる状態で使い始める」ことにあります。主な特徴は以下の通りです。

標準機能をベースにした要件整理

必要な要件を「やる/できる/やらない」に分類し、要件の優先順位と対応方針を明確にします。

業務フローの可視化と再設計

現状の業務をヒアリングし、F-RevoCRMに最適な形に再構成。属人化や運用のばらつきを防ぎます。

関係者間の認識統一

設定内容や導入方針を関係部門と共有し、誤解や後戻りのない導入プロセスを進めます。

導入後を見据えた設計

保守や将来の拡張にも対応できるよう、設定や開発の内容を文書化し、引き続き可能な形で納品します。

他の支援サービスとの違い

F-RevoCRMでは、導入をサポートするために3つの支援サービスを提供しています。

  • PoC(Proof of Concept:概念実証)
  • 導入コンサルティング
  • システム要件定義・開発支援

それぞれ目的と役割が異なります。ここでは導入コンサルティングが他のサービスとどう違うのかをご紹介します。

導入コンサルティングとPoCの比較

PoC(Proof of Concept:概念実証)はF-RevoCRMを開発・提供しているシンキングリードが、事前にお客様の具体的な要望に対して「実現可能かどうか」を検証するサービスです。

導入を検討している段階で「この業務や機能はF-RevoCRMで対応できるのか」「どのような設定になるのか」といった疑問に対し、システム上で再現・検証を行い、判断材料をご提供します。

一方、導入コンサルティングはF-RevoCRMの導入を決定した後に行う支援です。業務フローの整理や要件の優先順位付け、初期設定の方針決定などを通じて運用がスムーズに始められる状態をつくります。

PoCと導入コンサルティングの違いを示す比較表。実施タイミング、目的、内容、ゴールの4項目で両者を対比している。

システム要件定義・開発支援との違い

導入コンサルティングとシステム要件定義・開発支援は、いずれも導入プロセスに関わる支援ですが、担っている役割と目的は異なります。

導入コンサルティングでは、業務全体の流れや課題を整理しながら、「何を実現すべきか」「どのように運用するか」を明確化することに重点を置きます。

業務の背景や関係者間の認識をすり合わせ、設定や開発の前提となる考え方を言語化していくフェーズです。

一方、システム要件定義・開発支援では、すでに整理された方針をもとに、画面項目や処理仕様などの設計・実装内容を詳細に詰めていきます。

実際の開発・設定作業に必要な情報を整理・定義するプロセスであり、業務とのすり合わせよりも、実装に向けた具体化が主な目的となります。

このように導入コンサルティングは「検討と判断のための準備」、要件定義は「設計と実装のための整理」と位置づけることができます。

なぜ導入コンサルティングが必要なのか?

CRM導入が上手くいかない理由の多くは、ツールそのものの性能ではなく、「導入の進め方」にあります。要件が曖昧なまま進めてしまったり、関係者間の認識がズレたまま導入が完了してしまうと、実際の運用が定着せず、成果につながらなくなります。

F-RevoCRMの導入コンサルティングは、こうしたよくある失敗を未然に防ぎ、スムーズに業務へ定着させるための支援です。

導入コンサルティングは失敗を防ぐ仕組み

F-RevoCRMの導入コンサルティングでは、導入初期から次のような観点で失敗のリスクを抑えます。

業務と目的の整理から着手

営業段階のヒアリングをもとに、実務の業務内容や課題、導入目的を明確にします。

関係者間の合意形成を重視

設計方針や要件の優先順位は関係部門と共有しながら検討を進めます。

標準機能を前提に判断する

「とりあえず開発」ではなく、F-RevoCRMの標準機能でどこまで対応できるかを起点に整理します。

決定事項を記録し、関係者と共有

要件や設定内容は文書に残し、後戻りや認識のズレを防ぎます。

このように導入に必要な情報や意思決定をあらかじめ整えておくことで、プロジェクトの混乱や遅延を回避できます。

「やる/できる/やらない」の要件整理とは?

F-RevoCRMの導入コンサルティングでは、プロジェクトの初期にすべての要件を次の3つに分類します。

  • やる:今回の導入で必ず対応する案件
  • できる:標準機能で実現可能な要件
  • やらない:今回の対象外とする、または別フェーズで検討する要件

この整理により、以下のような効果が期待できます。

  • プロジェクトの目的や対応範囲が明確になる
  • 不要な開発や仕様追加を抑えられる
  • 実現可能な範囲から着実に導入をスタートできる

要件をすべて実現しようとするのではなく、優先順位を明確にし、実効性のあるスコープに落とし込むことが導入成功の重要なポイントです。

コンサルティングで実施する4つのアクション

F-RevoCRMの導入コンサルティングでは、単にヒアリングを行うだけでなく、導入を成功させるために必要な4つのアクションを体系的に行います。

これらのアクションを通じて、プロジェクト全体の方向性が明確になり、現場で使える仕組みとしてCRMが定着する状態を目指します。

決める:要件の明確化と優先順位付け

まず、導入目的を踏まえたうえで、実現すべき要件を洗い出し「何をやるか」「何を後回しにするか」を明確にします。

この段階で以下のような項目を整理します。

  • 業務上、必ず対応すべき要件
  • 標準機能で対応可能な項目
  • 今回見送る項目、将来的に検討する内容

こうした分類をもとに、要件の優先順位を設定し、過不足のないプロジェクトスコープを固めます。

見える化:業務フロー・設定の共有

整理された要件をもとに、F-RevoCRMの画面や設定項目に落とし込み、関係者全員が同じイメージを持てるように「見える化」します。

  • 現場の業務フローとシステム構成の関係を図示
  • 権限や入力項目の画面イメージを共有
  • 運用の想定パターンを明文化

これにより、「思っていたのと違う」「そんな設定は効いていない」といった齟齬(そご)を防ぐことができます。

残す:意思決定と検討内容の記録

コンサルティングの過程で行われた検討や意思決定は、口頭だけで終わらせず、必ず記録として残します。

  • 要件整理の背景と理由
  • 標準機能の活用判断の根拠

あとから「なぜそうなったのか」が明確になり、担当者の変更や引継ぎが発生してもプロジェクトの継続性が保たれます。

つなぐ:開発・運用を一貫して支援

導入コンサルティングの成果は、その後の開発・設定作業や運用フェーズへと引き継がれます。

  • 整理された要件はそのまま開発・設定方針に反映
  • 必要に応じて開発・定着支援フェーズへスムーズに移行

「設計」と「実装」や「運用」を切り離すのではなく、一貫した支援体制を通じて、現場で使えるCRMの定着を後押しします。

一気通貫体制によるメリット

F-RevoCRMでは、導入コンサルティングから要件定義、開発・設定、運用支援に至るまで、すべての工程を一貫して提供しています。

この一気通貫体制により、プロジェクトの品質やスピード、現場への定着力を高めることができます。

情報断絶の回避

導入から開発・設定まで、シンキングリードが一貫して対応し、社内の各担当者が連携して進行する体制をとっています。要件の背景や意図が正しく共有され、手戻りや誤解を最小限に抑えることができます。

設計方針の一貫性

導入初期で整理した要件や方針が、開発・設定まで一貫して反映されるため、設計方針が途中でぶれることがありません。

業務との整合性を保ちながら、運用に適した構成を実現しやすくなります。

スピード感と調整負荷の軽減

社内で情報や判断基準が共有されているため、フェーズをまたいだ調整もスムーズに行えます。意思決定のスピードが維持され、導入までの時間や関係者の負担を抑えることが可能です。

導入ステップと期間の目安

F-RevoCRMの導入は事前に確認した方針にそって、計画的に進めていきます。

標準機能の活用にとどまるケースと、開発や要件定義を含むケースとでは、導入ステップや所要時間が異なります。

導入コンサルティングの所要時間

導入内容によって、コンサルティングの所要時間は異なります。

標準機能を活用するケースでは、おおよそ1か月を目安に、業務整理や設定方針の検討を集中的に進めます。

一方で、個別の開発や要件定義を含むケースでは、対象範囲の整理や技術的な検討が必要になるため、おおよそ2か月以上かかることが一般的です。

要件により期間は変動します。

F-RevoCRM導入コンサルティングの期間と特徴を比較した表。標準機能を活用する場合は約1か月で、シンプルな要件整理と設定方針の確認が中心。開発・要件定義がある場合は約2か月以上かかり、業務整理や要件の深掘りが必要。※要件により期間は変動。

セッションの進め方と構成例

F-RevoCRM導入コンサルティングの進め方を表す図。全5ステップで、キックオフから始まり、現状把握、設定レビュー①、設定レビュー②を経て、最終確認・納品で完了する。各ステップに対応したイラスト付き。

導入コンサルティングでは、複数回の定例セッションを通じて、要件整理や方針決定を段階的に進めます。以下はその一例です。

セッション内容ゴール
第1回業務フロー確認・モジュール構成案業務の流れ・システム構成の方向性を整理
第2回設定案の提示と初回フィードバックモジュール・項目構成のたたき台を確認
第3回修正案の提示と詳細すり合わせ権限設計や運用ルールを含めた精度向上
第4回アドオン開発要件の整理(必要時)開発内容の有無・優先順位を確認
第5回最終確認と課題整理決定事項を明文化し、次フェーズに引き継ぎ

導入後のサポート体制について

F-RevoCRMの導入後も安心して活用いただけるよう、シンキングリードでは運用フェーズを見据えたサポート体制を提供しています。

導入コンサルティングから引き継いだ情報をベースに、保守対応や追加のご相談にもスムーズに対応が可能です。

保守・運用サポートの継続性

導入後はコンサルティングのフェーズで整理した内容をもとに、保守・運用サポートチームが引き継いで対応します。

設定方針や業務背景がチーム間で共有されているため、運用フェーズでもスムーズな対応が可能です。軽微な変更や定期的なご相談にも対応できる体制が整っています。

追加要件への対応と見直しの柔軟性

運用が始まると、業務の変化や新たな課題に応じて、追加の要件や見直しが必要になることがあります。

F-RevoCRMはオープンソースのCRMをベースにしており、こうした変更にも柔軟に対応しやすい設計です。導入コンサルティングでは将来的な拡張も見据えて、優先順位をつけながら段階的に検討を進める方針をとっています。そのため、必要に応じて見直しや追加を行うことで実運用に沿った形での導入が可能です。

追加対応の内容によっては、当初のお見積りに変更が生じる場合もありますが、その場合は都度内容をご相談のうえ、ご納得いただける形でご案内します。

オンプレミス環境への対応

F-RevoCRMはクラウド版に加えてオンプレミス版にも対応しており、自社環境への導入をご希望の場合もサポートが可能です。

オンプレミスを前提とする場合でも、導入コンサルティングの内容や支援体制に大きな違いはありません。

ただし、サーバー構成やインフラ要件については事前の調整や追加作業が必要になるケースもあるため導入初期段階でのすり合わせが推奨されます。

よくある質問

Q
導入コンサルティングは必ず必要ですか?

A

導入コンサルティングは必須ではなく、あくまで任意の支援サービスです。

ただし、導入にあたって業務整理や設定方針の検討が必要となるケースでは、導入コンサルティングを活用することで、初期段階での迷いや手戻りを防ぐことができます。

とくにアドオン開発を伴うような導入では、要件の整理と優先順位付けが重要になるため、事前に支援を受けるメリットが大きいです。

Q
コンサルティング期間はどのくらいかかりますか?

A

導入内容や導入プランによって異なりますが、標準機能を活用する場合はおおよそ1か月個別の開発や要件定義を含む場合はおおよそ2か月以上が目安です。

要件により期間は変動します

Q
コンサルティングの途中で方針を見直すことは可能ですか?

A

可能です。導入初期にすべてを決めきるのではなく、必要に応じて優先順位を調整しながら進めるスタイルをとっています。

初期段階で想定しきれなかった要件についても、柔軟に対応できるよう配慮しています。

変更に合わせて見積も変動する可能性があります。

Q
コンサルティング後に別のチームが引き継ぐ場合、情報はちゃんと共有されますか?

A

はい、導入コンサルティングで検討・決定した内容は、保守・運用を担当するチームに引き継がれます。設定方針や業務背景を把握したうえで、対応できるよう体制を整えています。

Q
オンプレミス環境でも導入コンサルティングは利用できますか?

A

はい、クラウド版・オンプレミス版のどちらでも導入コンサルティングをご利用いただけます。

インフラ要件などの調整が必要な場合は、初期段階で確認・ご案内いたします。