日々の顧客管理や営業活動の中で、既存データをまとめてシステムに登録したい場面は少なくありません。
F-RevoCRMでは、CSVファイルを使って顧客・案件・商品などのデータを一括で取り込む「インポート機能」が標準搭載されています。
Excelで管理したい情報や、他システムからエクスポートしたデータもフォーマットを整えるだけで簡単に登録が可能です。この記事では、F-RevoCRMのインポート機能を使った登録手順と設定の流れを順に解説します。

上書きやマージなど、インポート時の処理の仕組みについて詳しく知りたい方は、別記事「インポートの「上書き」と「マージ」の違いとは?安全なデータ更新方法を解説」もあわせてご覧ください。

インポート機能の概要

F-RevoCRMの「インポート機能」は、外部で管理しているデータを一括でシステムに取り込むための機能です。Excelで整理した顧客リストや、他システムから出力したCSVデータをそのまま活用できるため、手入力による登録作業を大幅に削減できます。

例えば、次のような場面で活用できます。

  • 初期導入時のデータ移行:Excelや他システムで管理していた顧客情報をCRMに統合したいとき
  • 新規リストの登録:展示会や問い合わせフォームから得た顧客リストをまとめて追加したいとき
  • 社内データの共有化:複数部門で保有している情報を統一フォーマットで取り込みたいとき

F-RevoCRMでは、顧客・案件・活動・見積・請求など、主要なモジュールでインポートが可能です。登録対象モジュールを選択し、CSVファイルを指定することで、数百~数千件単位のデータでも一括登録を行えます。

また、インポート操作はユーザー権限によって制御可能です。

すべてのユーザーが自由にデータを取り込めるわけではなく、権限を持つユーザーのみが実行できます。誤操作を防ぐためにも、運用時は「誰がどのモジュールを扱えるか」をあらかじめ管理者が設定しておくことが重要です。

インポートの実行手順 ― CSV準備から登録完了まで

F-RevoCRMでのインポートは、画面の指示に沿って進めるだけで完了するシンプルな流れです。

CSVファイルの準備から登録完了までの各ステップが明確に分かれており、初めての方でも安心して操作できます。

おおまかな手順は次のとおりです。

  1. CSVファイルを準備する
    登録したいデータをF-RevoCRMの項目構成に合わせて整えます。
  2. CSVファイルをアップロードする
    対象モジュールの「インポート」ボタンからCSVを選択し、区切り文字や文字コードを指定します。
  3. 重複レコード処理を設定する
    既存データとの重複がある場合の処理方法(スキップ・上書き・マージ)を選択します。
  4. 項目マッピングを設定する
    CSVの列とF-RevoCRMの項目を対応付けます。自動または手動で設定可能です。
  5. 結果を確認する
    完了後、登録件数やエラーを確認し、必要に応じて修正を行います。

この流れを順に進めることで、顧客・案件・商品などのデータを短時間で登録できます。

ステップ1 CSVファイルを準備する

インポートしたいモジュール(例:顧客、案件)を開き、1件だけデータをエクスポートします。出力されたCSVにはそのモジュールで使用できる全項目が正しい順序で含まれているため、これを雛形としてデータを追記してください。雛形の項目名はF-RevoCRM側と一致しているため、次のステップで自動的にマッピングされます。

ステップ2 CSVファイルをアップロードする

CSVファイルの準備ができたら、F-RevoCRMにアップロードします。
インポート対象のモジュール(顧客/案件/商品 など)を開き、右上の「インポート」をクリックします。

  1. CSVファイルを選択する
    画面の「CSVファイルを選択」から、作成したCSVを指定します。
  2. 区切り文字と文字コードを設定する
    CSVに合わせて、区切り文字(カンマ/タブ)と文字コード(UTF-8/ISO8859-1)を選択します。文字化け防止のため、基本はUTF-8での保存・指定を推奨します。
  3. 設定内容を確認して次へ進む
    ファイル指定と各種設定を確認したら「次へ」をクリックします。
    ※ 項目の対応関係は次の「ステップ4:項目マッピング」画面で確認・調整します。
ポイント

列ずれや想定外の文字化けがないかは、少量データのテスト実行で事前に確認すると安全です。

ステップ3 重複レコード処理を設定する

アップロードが完了すると、「重複レコードの処理」設定画面に進みます。
ここでは、F-RevoCRMに既に存在するデータとインポートデータが重複した場合の処理方法を指定します。

処理方法を選択する

画面上部のプルダウンから、次の3つのいずれかを選びます。

  • スキップ:一致データを登録せずに飛ばす
  • 上書き:既存レコードをCSVの内容で上書きする
  • 重複マージ:既存レコードとCSVの内容を統合する
仕様上の注意点
  • 上書きを選ぶと、CSVに空欄のある項目はF-RevoCRM側でも空白で上書きされます。
  • 重複マージを選ぶと、CSVが空欄でもF-RevoCRMの既存値は保持され、両方の情報が共存します。

② マッチング項目を指定する

画面下部の「マッチング項目」欄で、重複判定に使うキーを設定します。
顧客IDやメールアドレスなど、レコードを一意に識別できる項目を選びましょう。
マッチング項目が未設定のまま実行すると、すべての行が新規登録扱いとなり、重複データが増える原因になります。

③ 設定内容を確認して次へ進む

処理方法とマッチング項目を確認し、問題がなければ「次へ」をクリックします。
次のステップでは、CSVの列とF-RevoCRMの項目を対応付けるマッピング設定を行います。

ステップ4 項目マッピングを設定する

重複レコードの処理方法を設定したら、次に項目マッピングを行います。
これは、CSVファイル内の列とF-RevoCRMの項目を対応付ける作業です。
正しくマッピングされていないと、データが意図しない項目に登録される場合があるため、慎重に確認しましょう。

①対応する項目を確認・設定する

画面には、CSVの列名とF-RevoCRMの項目名が並んで表示されます。
各列に対応する項目をプルダウンから選択します。
CSVファイルの列名をF-RevoCRM側と同じにしておくと、自動でマッピングが行われます。

② 必須項目(*マーク)を設定する

「*」が付いた項目は必須入力です。
マッピングが未設定のままだとインポートが実行できないため、漏れがないように確認します。

③ 設定内容を確認してインポートを実行する

すべてのマッピング設定が完了したら、内容を確認し、「インポートを実行」をクリックします。
処理が完了すると、登録結果が表示されます。

ステップ5 結果を確認する

インポートが完了すると、「インポート結果」画面が表示されます。
ここでは処理件数のサマリーを確認し、想定どおりの登録が行われたかを確認します。

① 処理結果を確認する

画面上には次の情報が一覧で表示されます。

  • スキャンされた合計レコード:インポート対象となった行の件数
  • インポートされたレコード数:登録または更新が実行された件数
  • 新規作成したレコード数:新規登録として追加された件数
  • スキップしたレコード数:重複処理により登録を見送った件数
  • マージされたレコード数:既存データとCSVデータを統合した件数

一覧右側の「詳細」リンクをクリックすると、登録されたレコードの内容を個別に確認できます。

② 追加のインポートを行う場合

結果を確認後、同じモジュールに別のファイルを取り込みたい場合は、
画面下部の「更にインポートする」ボタンをクリックします。

処理を終了する場合は、「完了」をクリックしてインポート作業を終了します。

ポイント
  • 件数が想定と異なる場合は、CSVの区切り文字やマッチング項目の設定を再確認してください。
  • エラー件数が多い場合は、少量のデータでテストインポートを行うと原因を特定しやすくなります。

インポート完了後の確認とエラー対処

エラー時の仕様と対処

インポートに失敗したデータがある場合、結果画面にはエラーの件数と該当行番号のみが表示されます。
どの項目で不備が発生したかなどの詳細なエラー原因は表示されません。

そのため、CSVの内容を事前に確認し、以下のような点に注意して修正を行います。

  • 必須項目が空欄になっていないか
  • 文字コードがUTF-8で保存されているか
  • 区切り文字や列順が正しいか
  • 不要な空白行や全角スペースが含まれていないか
注意

エラーの詳細は記録されません。
件数と該当行番号をもとにCSVを見直し、問題を修正したうえで再実行してください。

再インポートと安全な運用のポイント

修正後のCSVを再度アップロードし、インポートを実行します。
同じモジュールに追加登録を行う場合は、結果画面下部の「更にインポートする」ボタンから続けて操作できます。

作業を安定して運用するためには、以下の点を意識しましょう。

  • バックアップの取得:重要なモジュールは事前にエクスポートしておく
  • テストインポート:初回は少量データで試し、設定や項目の対応を確認する
  • 運用ルールの共有:誰がどのデータを扱うか明確にしておく

これらを徹底することで、データの整合性を保ちながら安全にインポート作業を進められます。

まとめ

F-RevoCRMのインポート機能を使えば、これまでExcelや他システムで管理していた顧客・案件・商品データを、まとめて登録できます。手作業での入力を減らせるので、作業時間をぐっと短縮しながら、データの整合性も保てます。

また、重複データの処理やマッチング項目の設定をきちんと行えば、既存データの上書きや統合も安心して実行できます。一度手順を覚えてしまえば、定期的なデータ更新もスムーズです。操作自体はシンプルですが、ファイル形式や項目設定を誤ると登録がうまくいかないこともあるので、まずは少量のテストデータで試しながら、運用ルールを整えていくのがおすすめです。

F-RevoCRMでは、無料トライアル環境で実際の操作をお試しいただけます。
インポート機能の使い勝手を確認しながら、自社のデータ運用にどのように活かせるかを検討してみてください。

上書きやマージなどの処理方法をより詳しく知りたい方は、
関連記事「インポートの『上書き』と『マージ』の違いとは?安全なデータ更新方法を解説」も参考にしてください。