業務の中で「毎回同じような連絡をしている」「承認依頼のたびにメールを送るのが手間」と感じたことはありませんか。こうした定型業務を自動化できるのが、F-RevoCRMのワークフロー機能です。
本記事では、ワークフロー機能の概要から具体的な設定方法、実際の活用事例までを詳しく解説します。自社の業務効率化を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
ワークフロー機能の概要
業務の中では、承認や通知などの定型作業が日々繰り返されています。こうした処理をあらかじめルール化し、自動で実行する仕組みが「ワークフロー」です。
F-RevoCRMでは、このワークフロー機能を活用することで、案件登録やタスク更新などの操作をきっかけに、関連する処理を自動で行えるようになります。
F-RevoCRMにおけるワークフローの役割
F-RevoCRMのワークフロー機能は、日常業務の中で繰り返し発生する作業を自動化するための仕組みです。
たとえば、案件が登録されたときに上司へ承認依頼メールを送ったり、タスクの期日が近づいたときに担当者へ通知を送ったりといった処理を、あらかじめ設定しておくことができます。
こうした自動化を活用することで、担当者が都度メールを送る、進捗を確認するといった単純作業を減らし、ミスや対応漏れを防ぐことが可能になります。
F-RevoCRMはオープンソースをベースにしているため、標準ワークフロー機能をベースに、自社の運用ルールや承認フローに合わせて柔軟に拡張できる点も特長です。

F-RevoCRM(エフレボCRM)とは

どんな業務を自動化できるのか
ワークフローで自動化できる処理は、主に「通知」「登録」「更新」「承認」の4つに大別されます。
代表的な例としては以下のようなものがあります。
- 案件・リード管理:営業ステージが変更された際に、上司へ自動で通知を送信
- タスク管理:期日の1日前に担当者へリマインドメールを送信
- 顧客・取引先管理:新しい企業を登録した際に、関連モジュール(担当者・案件など)へ自動反映
- サポート・チケット対応:新規チケット登録時に、顧客へ受付完了メールを自動送信

システムが自動で実行することで、現場の作業負担を軽減し、対応スピードと情報精度を向上させることができます。
設定できるユーザー権限と前提条件
ワークフローの設定は、F-RevoCRM内の「設定」メニューから行えます。ただし、全ユーザーが設定できるわけではなく、管理者権限を持つユーザーのみが登録・編集を行えます。これは、システム全体の自動化ルールが組織全体に影響するためです。
また、メール送信を伴うアクションを設定する場合は、事前に「送信メールサーバー」の構成が必要です(設定メニュー → システム設定 → システム構成 → 送信メールサーバー)。
このような前提条件を整えておくことで、ワークフローが正しく動作し、通知・反映処理が自動的に行われるようになります。
F-RevoCRMでの設定方法
F-RevoCRMのワークフロー機能は、「設定」メニューから簡単に作成できます。
ここでは実際に画面構成に沿って基本的な設定手順を解説します。
設定の流れは、次の4ステップに分かれます。
- 設定画面を開く
- 基本情報・タイミングを設定する
- 条件を設定する
- アクション(自動処理)を設定する
設定画面へのアクセス手順
まず、管理者権限でF-RevoCRMにログインします。
メインメニューから
「設定」→「システム設定」 → 「自動化」 → 「ワークフロー」の順に進むと、ワークフロー一覧画面が表示されます。
画面には標準で用意されている複数のワークフローが並んでおり、右上の「+新しいワークフロー」をクリックすると、オリジナルのワークフローを作成できます。

基本情報・タイミングの設定方法
次にワークフローの基本情報と実行タイミングを設定します。
これは「どのモジュールで、どのタイミングでワークフローを起動するか」を指定する項目です。
設定項目の例は以下のとおりです。
- 対象モジュール: 自動化を行いたい対象を選択(例:案件、タスク、リードなど)
- 条件: 実行タイミングを指定(例:レコード作成時、更新時、削除時など)
- 繰り返し: 条件が一致するたびに実行するかどうかを設定
たとえば、案件の営業ステージが更新されるたびに通知したい場合は、「対象モジュール:案件」「条件:更新時」「繰り返し:常に実行」を選択します。

条件の設定方法
次に、ワークフローを実行するための条件(トリガー)を設定します。
条件は「どの項目が、どのように変更されたら実行するか」を定義します。
例として、案件の営業ステージが更新された際に通知を送る場合は、
以下のように設定します。
- 項目:営業ステージ
- 条件:変更された

複数条件を組み合わせることで、より限定的なルールを作ることもできます。
たとえば「営業ステージが変更され、かつステータスが『進行中』の場合のみ実行」といった設定も可能です。
アクション(自動処理)の設定方法
最後に、条件を満たしたときに実行されるアクション(処理内容)を設定します。
「アクションの追加」をクリックすると、以下のような選択肢が表示されます。
- メール送信
- TODOの作成
- 活動の作成
- 項目値の更新
- レコードの作成 など
ここでは「メール送信」を例に設定してみましょう。
宛先・件名・本文を指定し、通知先を上司や関連部門に設定します。
下図のように、To欄には「担当者の上司」など動的項目を指定することも可能です。

【実例】案件の営業ステージ更新時に上司へメール通知
実際の設定例を見てみましょう。「案件の営業ステージが更新されたときに、上司へ自動でメール通知する」ワークフローを作成します。
- 対象モジュール: 案件
- 条件: 更新時(作成時を含む)
- 繰り返し: 条件が一致するたびに実行
- トリガー条件: 営業ステージ → 変更された
- アクション: メール送信(宛先:上司、件名:「案件ステージ更新通知」など)
これで、営業ステージを変更するたびに、上司へ自動的にメールが送信されるようになります。設定内容を保存すると、ワークフローが一覧に追加され、すぐに利用できます。
よく使われるワークフロー活用例
F-RevoCRMのワークフロー機能は、日常業務の中で繰り返し行う作業を自動化できます。ここでは、実際の現場でよく活用されている代表的なパターンを3つの領域に分けて紹介します。
営業・案件管理での活用例(承認・通知)
営業活動では、案件登録やステージ変更などのタイミングで、上司や関連部門への報告・共有が頻繁に発生します。ワークフローを設定しておくことで、作業を自動化し、対応の抜け漏れを防ぐことができます。
- 案件登録時の承認依頼
案件が新規登録されたら、上司へ自動で承認依頼メールを送信 - 営業ステージ更新の進捗共有
営業ステージが変更されたタイミングで、営業マネージャーへ進捗を自動通知 - 案件完了後の連携
案件完了時に、請求処理担当へ自動でメール連携

営業現場の報告作業が仕組み化されると、「誰が・いつ・どの案件を処理したのか」をリアルタイムに把握できるようになります!
サポート・チケット管理での活用例(自動返信・対応共有)
顧客からの問い合わせ対応やチケット管理においても、ワークフローの自動化は有効です。登録から対応完了までの流れを自動化することで、対応スピードと顧客満足度を高められます。
- 受付完了の自動返信
新しいチケットが登録されたら、依頼元の顧客へ受付完了メールを自動送信 - 期日前のリマインド
対応期日が近いチケットについて、担当者へ自動でリマインドメールを送信

問い合わせの抜け漏れを防ぎ、顧客対応の品質を一定に保てます。
また、サポート部門と営業部門が同じ情報をリアルタイムに共有できるため、アフターフォローの迅速化にもつながります!
顧客・リード管理での活用例(スコアリング・データ反映)
顧客やリード(見込み顧客)に関するデータを自動で更新・反映する設定も可能です。属人化しやすい情報登録を自動化することで、常に最新の顧客情報を維持できます。
- 関連モジュールへの自動反映
新しい顧客企業を登録したら、関連モジュール(担当者・案件など)へ情報を自動反映 - 案件化時の通知
リードが案件化されたタイミングで、対応担当者へ自動通知

自動化により、入力ミスや情報の重複を防ぎ、顧客情報の鮮度と整合性を保つことができます。
また、スコアリング機能と組み合わせることで、見込み度の高い顧客を優先的にフォローする仕組みづくりにも役立ちます!
ワークフロー活用の3つのメリット
F-RevoCRMのワークフロー機能を活用することで、単なる作業効率化だけでなく、組織全体の業務品質や連携体制を高めることができます。
ここでは、自動化によって得られる代表的な3つのメリットを紹介します。
作業時間の削減とヒューマンエラーの防止
ワークフローによって、メール送信やステータス更新などの繰り返し作業を自動化できるため、担当者が手動で行う処理が大幅に減ります。日常業務における「入力・連絡・確認」といった単純作業にかかる時間を削減でき、より付加価値の高い業務に集中できます。
また、自動化によってルール通りの処理が確実に実行されるため、通知漏れ・登録ミスなどのヒューマンエラーも防止できます。結果として、情報の正確性が保たれ、顧客対応や社内承認のスピードも安定します。
属人化の解消と業務標準化の推進
ワークフローは「誰がやっても同じ処理が行われる」仕組みを作ることができます。特定の担当者に依存した運用から脱却し、業務の属人化を防ぐことが可能になります。
たとえば、営業活動での承認フローや、サポート対応での通知処理を自動化しておけば、担当者が変わっても同じ品質で業務を遂行できます。マニュアル整備や業務標準化を実践するうえで欠かせないステップでもあります。
また、ワークフローの設定内容を可視化しておくことで、業務プロセス全体の見直しや改善ポイントの発見にもつながります。
部門連携の強化と承認スピードの向上
部門間での情報共有や承認依頼のやり取りは、手動運用だとどうしても遅れやすくなります。ワークフローを活用すれば、案件の進捗・顧客対応・請求処理などの情報が自動的に関係者へ通知されるため、リアルタイムでの連携が可能になります。
たとえば、営業が案件ステージを更新した瞬間に、上司やバックオフィスに自動通知が届くようにしておけば、承認・処理が滞りなく進みます。結果として、組織全体での意思決定や対応スピードが向上し、顧客対応の迅速化や機会損失の防止にもつながります。
承認業務を効率化する簡易ワークフロー
F-RevoCRMには、標準のワークフロー機能に加えて、「簡易承認ワークフロー」と呼ばれる承認プロセス専用の仕組みが用意されています。
この機能を利用すると、見積や契約、案件対応などに関する承認フローを、すべてCRM上で完結できます。たとえば、営業担当が見積内容を上司に承認依頼し、上司がそのままF-RevoCRM上で承認または却下を行う、といった運用が可能です。
承認状況はリアルタイムで確認でき、メール通知やタスク管理とも連携できます。メールや紙で行っていた承認作業を効率化し、承認プロセス全体のスピードと透明性を高めることができます。
日々の承認や確認業務をワークフロー化することで、現場担当者の負担を減らし、組織全体での意思決定をスムーズに進めることができます。
まとめ
ワークフロー機能は、日々の業務を効率的に進めるための代表的な仕組みのひとつです。F-RevoCRMでは、案件やタスクの更新をきっかけにメール送信やデータ更新を自動化でき、属人化しやすい日常業務を仕組みとして標準化することができます。
また、部門間の連携や承認プロセスまでを一元的に管理できるため、営業やサポートなどの現場業務をスムーズに進める環境を整えられます。
まずは、自社で繰り返し発生している定型作業を洗い出し、どの部分を自動化できるかを検討してみましょう。F-RevoCRMのワークフロー機能を活用することで、業務効率化の第一歩を踏み出すことができます。


