オープンソースCRM、導入したのにうまく活用できない?
「オープンソースのCRMなら、自由にカスタマイズできるし、ライセンス費用もかからない。これはいいぞ!」
そんな期待を胸に導入したものの、
- どこから手をつければいいかわからない
- カスタマイズが膨らみすぎて、収拾がつかなくなった
- 社内の負担が想像以上に大きい
といった問題に直面してしまう企業は少なくありません。せっかくコストを抑えて導入したのに、逆に余計な手間が増えてしまっては本末転倒ですよね。
では、どうすればオープンソースCRMをスムーズに導入し、業務に活かせるのでしょうか?今回は、導入前に知っておきたい3つのポイントを紹介します。
何でもできるからこそ「目的」を明確にする
オープンソースCRMの最大のメリットは、「やろうと思えば何でもできる」こと。ですが、この「何でもできる」というのが厄介で、気づけば「あれも、これも」と手を広げすぎてしまうケースが多いのです。
たとえば、「営業チームの案件管理を効率化したい」と思って導入したのに、気がつけばマーケティング機能やカスタマーサポート機能まで盛り込まれて、結局どの業務にもフィットしない…なんてことも。
- 導入の目的をシンプルに設定する(例:「営業案件の進捗管理をスムーズにする」)
- CRMの役割を明確にし、必要な機能を絞る
- 業務を支える「名脇役」として考える
「スモールスタート」で、まずは試してみる
「せっかく導入するなら、最初からフル機能を使いこなしたい!」
そう思う気持ち、よく分かります。でも、オープンソースCRMはパッケージ製品と違って、導入後の調整が前提です。最初からすべてを完璧にしようとすると、予想以上に時間と手間がかかります。
そこでおすすめなのが、スモールスタート。つまり、「まずは最低限の機能で使ってみる」という方法です。
- 運用しながら改善できる(実際に使ってみると、新しい要件が見えてくる)
- リスクを最小限に抑えられる(無駄な機能を入れずに済む)
- 社内の定着率が上がる(シンプルなシステムの方が、使いこなせる)
実際、CRMを導入してみないと「本当に必要な機能」は分かりません。まずはシンプルに使い始め、業務に合わせてカスタマイズしていく方が、結果的にうまくいくことが多いのです。
オープンソースCRMなら、比較的低コストなので、段階的に機能を追加することが可能。まずは基本的な機能で運用し、業務の流れに合わせて拡張していけば、無駄なコストもかかりません。
「CRMを入れたけど、思ったように活用できなかった…」とならないために、スモールスタートで試しながら進めるのが賢い選択です。
「オープンソース=無料」ではない?コストの落とし穴
「オープンソースだから無料で使える!」
確かに、ライセンス費用はかかりません。でも、だからといって「ノーコストで導入できる」と考えるのは危険です。
CRMの導入・運用には、社内リソース(エンジニアや運用担当者)の確保が必要になりますし、カスタマイズや保守にはそれなりの手間と時間がかかります。
たとえば、「社内のエンジニアが対応すればコストゼロ」と思っていたら、そのエンジニアの他の業務が圧迫され、結果的に生産性が下がる…なんてことも。
また、社内に適切なスキルを持つ人がいない場合、誰かが学習する時間が必要になり、それもコストと考えるべきでしょう。
- どこまで社内対応し、どこを外注するかを決める
- 長期的な運用コストを試算する
- ベンダーの活用も選択肢に入れる(専門家に任せた方が、結果的にコストが抑えられることも)
実際、オープンソースCRMのソースコードを深く理解し、適切に運用するにはそれなりのスキルが求められます。社内にリソースがない場合は、外部の専門ベンダーを活用するのも一つの手です。
たとえば、「初期設定やカスタマイズは専門業者に任せて、運用は社内で行う」といったバランスの取り方をすれば、スムーズに導入できます。
「無料だからお得!」と飛びつくのではなく、本当に必要なコストをしっかり計算することが、成功のカギを握ります。
オープンソースCRMを「賢く」使おう
オープンソースCRMは自由度が高く、カスタマイズも自在。上手に活用すれば業務の効率化に大きく貢献します。だからこそ、導入の際には以下の3つのポイントを意識することが大切です。
- 目的を明確にする – 何のためにCRMを導入するのかを考える
- スモールスタートで始める – 必要最低限の機能から運用し、調整しながら拡張する
- 社内コストを見積もる – 「無料」だからといって油断せず、導入・運用の負担を計算する
これらを意識して導入すれば、オープンソースCRMを最大限に活用できるはずです。
CRMは、業務の効率化をサポートする「名脇役」。
主役である自社の業務をしっかり支えるために、無駄なく、効果的に導入を進めていきましょう!