導入したのに使われない!?CRMが“放置される”理由とは?

「これは絶対に業務改善につながる!」――そう意気込んで導入したCRM(顧客関係管理)システム。
ところが、いざ運用を始めてみると、いつの間にか誰も使わなくなり、システムは放置状態…。結局、導入前と何も変わらない。そんな話、どこかで聞いたことはありませんか? いや、もしかすると「まさにうちの会社のことだ…」と苦笑いしている方もいるかもしれませんね。

CRMの導入は決して安い投資ではありません。せっかく導入したのに活用されないのは、企業にとって大きな損失です。でも、なぜそんな事態になってしまうのでしょうか?

実は、CRMが使われなくなる背景には、“ある共通の落とし穴”が潜んでいるのです。今回は、そんなCRM導入の失敗あるあるを紐解きながら、どうすれば成功へと導けるのかを考えていきます。

そもそも、なぜCRMを導入しようと思ったのか?

まず、思い出してみましょう。なぜあなたの会社はCRMを導入しようと思ったのでしょうか?

たいていの場合、その理由はシンプルです。

  • 営業担当の個人プレーをなくし、組織全体で顧客対応できるようにしたい
  • バラバラに管理されている顧客情報を、チーム全体で共有したい
  • 事務作業を減らして、営業活動にもっと時間を使えるようにしたい

どれも企業の成長に欠かせない、大切な目的ですよね。でも、ここで一つの疑問が湧いてきます。

「目的が明確なのに、なぜ失敗するの?」

実は、CRM導入がうまくいかない会社には、ある“共通のパターン”があるのです。

CRM導入が失敗する3つのパターン

「とりあえず課題をリスト化」→そのままシステム要件に落とし込む

「まずは現場の課題を洗い出そう!」と、業務の問題点をひたすらリストアップ。そして、そのリストをもとに「じゃあ、これを解決するためにCRMを入れよう!」とシステム導入へ。

これ、一見すると正しいステップに思えますよね。でも、実はここに大きな落とし穴があります。

課題リストは、あくまで“表面的な問題”であって、根本原因ではない

たとえば、「営業の情報共有がうまくいっていない」という課題があったとします。でも、なぜ共有できていないのか? そこを深掘りしないままCRMを入れても、結局「今までと変わらない」という結果になりがちです。

解決策

まずは業務プロセスを整理し、課題の本質を見極める

CRM導入前に、「なぜこの問題が起きているのか?」を徹底的に掘り下げましょう。

「こんなレポートが見たい!」→アウトプットありきで要件を決める

「売上推移がひと目でわかるグラフを作りたい!」

「この切り口で顧客データを分析したい!」

こうした“出したいレポート”を先に決めて、それに合わせてシステムを設計する。これも、よくある失敗パターンの一つです。

確かに、見栄えのいいレポートがあれば、経営層は満足するかもしれません。でも、そのデータは本当に意味のあるものですか?

データの質が悪ければ、どんなに豪華なレポートを作っても無意味

もし入力データが不完全なら、出てくるレポートも信頼できるものにはなりません。「何のためのCRM?」という話になってしまいますよね。

解決策

まずは入力プロセスを整備し、質の高いデータを蓄積する

正しい情報がしっかり入力される仕組みを作ることが、良質なアウトプットへの第一歩です。

「業務フローをがっつり変更」→現場の負担が増える

「CRMを入れるなら、ついでに業務フローも最適化しよう!」

意気込むのはいいのですが、ここで陥りがちなのが、「システムに業務を無理やり合わせる」パターンです。

例えば、これまで自由度の高かった営業プロセスに、細かいルールや手順を設けすぎると…?

「面倒くさい」「やってられない」と、結局誰も使わなくなる

CRMを入れたことで、かえって現場の手間が増えてしまったら本末転倒ですよね。

解決策

システムに業務を合わせるのではなく、業務に合ったシステムを選ぶ

現場の負担を最小限に抑えつつ、自然に使えるシステム設計を目指しましょう。

結局、CRM導入の成功に必要なのは…?

ここまでの失敗例を振り返ると、CRM導入を成功させるカギはとてもシンプルです。

「業務のあるべき姿を、しっかり描くこと」

CRMは“魔法のツール”ではありません。ただシステムを導入するだけで、業務が勝手に改善されるわけではないのです。

導入前にやるべきことは、以下の3つ。

  • なぜCRMを導入するのか?(目的を明確にする)
  • 現場の課題を深掘りし、真の原因を見極める
  • 業務に合った形でシステムを設計する

これができれば、CRM導入の成功率はグッと上がります。

CRMを“使えるシステム”にするために

CRMは非常に便利なツールですが、導入の仕方を間違えると、せっかくのシステムが活用されずに終わってしまいます。

使えるシステムにするために覚えておきたいのが

“CRMは、導入することが目的ではなく、「業務を改善し、成果を上げること」が目的”ということ。

  • 課題の本質を見極め、根本的な解決策を考える
  • データの質を高め、実用的なレポートを作る
  • 業務に合ったシステム設計をする

この3つのポイントを押さえれば、CRM導入の成功率は大幅にアップするはずです。

これからCRMを導入しようとしている企業も、すでに導入済みだけれどうまく運用できていない企業も、ぜひ今一度「原点」に立ち返ってみてください。