人材不足や、ここ1年のコロナ禍の影響で「働き方改革」の取り組みはさらに加速し、中でも多くの企業は業務効率化の実現を進めている。しかし、業務の効率化といっても具体的にどのような方法で取り組めばよいのかわからないという人が多いのではないだろうか。そこで今回は、業務効率化の様々な取り組みの中から営業・案件の「見える化」に焦点を当てて紹介する。
「見える化」とは?
「見える化」とは、主に企業活動において<いつ・だれが・どこで・だれに・どのように・何をしているか>という業務プロセスの実態を共有し、把握できる状態にすることである。共有した情報を社員に公開し、改善や問題点を見えるようにすることで業務効率化が進む。
なぜ「見える化」なのか?
[一人当たりの仕事量と質の改善]
仕事量や内容をデータ化し、「見える化」することで一人一人がどのくらいの量の仕事をしていて、どのくらい進んでいるのかがわかる。
そしてバランスの良い仕事配分ができるようになり、一人一人がそれぞれのキャパシティを大きく上回る仕事量を抱えてしまうことがなくなる。その結果、仕事の質も改善されることとなる。
[営業の標準化による属人化の防止]
業績の高い人の営業プロセスを「見える化」することで、より成果に繋がりやすい営業活動を標準化することが可能になる。
案件の詳細や過程も共有することによって属人化(※1)していた営業のノウハウが「見える化」され、誰でも効率の良い営業活動を行うことができるようになる。
※1:属人化とは企業などにおいて、ある業務を特定の人が担当し、その担当の人にしか業務のやり方がわからない状態になることを意味する表現。
問題が起きた際の対処
「見える化」をしておかないと一人一人の仕事内容の詳細が把握できない為、何らかの問題が発生した際に早期対処ができない可能性がある。対処が遅れてしまうと顧客との信頼関係に悪影響を及ぼしかねない。
また、会社全体に損失を与えてしまう危険性もある。これらを防ぐためにも「見える化」を行っておく必要がある。問題が発生したとしても早期対処ができるため、信頼関係に悪影響を及ぼすことはないだろう。むしろ、良い方向に向かう可能性もある。
「見える化」を進める方法
[システムの導入]
「見える化」を実現させる手段の一つとして、システムの導入が挙げられる。
「見える化」には情報をリアルタイムで更新・共有する必要があるためである。 システムを導入することで、例えば営業の場合、案件管理や活動状況管理をはじめとする営業業務の管理が可能になる。いわゆる、SFA(営業支援)システムである。また、CRM(顧客関係管理)システムは、顧客を中心とした総合的な顧客管理・業務管理が可能である。
マーケティングや問い合わせに関する機能も含む総合型CRMであればさらに「見える化」促進できるだろう。
システムを自社のビジネススタイルに合うように導入することで、顧客・マーケティング・営業・案件・サポートの「見える化」を実現させることができ、業務効率を上げることができるだろう。
まとめ
- 現代の多くの企業は業務効率化を意識している。
- 業務の効率化には「見える化」が一つのポイント。
- 「見える化」を進めることによるメリットは大きい。
- 「見える化」を進めるにはシステム導入が有効な手段の一つである。
これまで使用してこなかったシステムを急に使用すると逆に扱いに慣れずに業務効率が下がってしまうのではと考える方もいるだろう。
しかし、全ての情報を一括で移行させるのではなく、徐々にデータを移行していくことで業務効率を下げずに移行することも可能である。自社の案件の進捗状況の把握をすることは「見える化」への第一歩であり、業務の効率化をするためには必要不可欠と言っても過言ではない。
その一歩を踏み出すためにもシステム導入を検討してみてはどうだろうか。