ツール選定から始めると99%失敗する理由

一般的に、CRM/SFAの導入を検討する際に多くの企業がとる流れは次のようなものです。

  1. Webで検索し、気になったツールベンダーに資料請求
  2. 複数のベンダーからデモプレゼンを受け、比較検討
  3. 最も良さそうなツールを選び、発注
  4. ベンダー主導で導入準備を進める

一見、問題なさそうに見えますが、この流れで進めるとほぼ確実に失敗します。

なぜ失敗するのか?

それは、CRM/SFAはあくまで「道具」であり、導入するだけで営業力が強化されるわけではないからです。たとえば、ダイエットをする際に「高価なトレーニング機器を買えば痩せる」と思うのは間違いですよね? 実際には、しっかりとした目標設定と継続的な努力が必要です。

営業力強化も同じで、ツールを導入しただけでは何も変わりません。営業担当者の意識改革や業務プロセスの改善がなければ、結局使われなくなり、高価なCRM/SFAが「押し入れの肥やし」状態になってしまいます。

CRM/SFA導入の第一歩は「企画をまとめる」こと

では、CRM/SFA導入を成功させるために、最初にやるべきことは何でしょうか?
答えは「企画をまとめること」です!

具体的には、導入目的や目標、スケジュール、関係者の役割分担を整理し、企画書としてアウトプットすることが重要です。

「なんだ、そんなことか」と思うかもしれませんが、実際にしっかり企画をまとめてから導入する企業は意外と少ないのが現状です。また、ツールベンダーの提案書をそのままコピーしただけの「なんちゃって企画書」では意味がありません。

企画書の内容次第で、導入の成否が決まると言っても過言ではないのです。

なぜ企画が重要なのか?

企画をまとめることで、会社としての取り組みを明確にし、関係者に周知できるからです。
例えば、「営業力強化」という目的だけでは漠然としすぎています。具体的に、

  • 何を改善するのか(例:商談の成約率を〇%向上)
  • どのように取り組むのか(例:顧客情報の一元管理、提案履歴の可視化)
  • いつまでに実施するのか(例:6ヶ月以内に運用開始)

といった詳細を決めることで、経営陣や現場の営業担当者が「自分たちが何をすべきか」を明確に理解できるようになります。

「道具を揃えればうまくいく」ではなく、「何をするか」を明確にすることが成功のカギなのです。

ツールベンダーとの関わり方に注意

企画段階では、ツールベンダーとの接触をなるべく控えることをおすすめします。

なぜなら、ベンダー側はできるだけ早く自社のツールを導入してもらいたいと考えており、「スモールスタートで試してみませんか?」といった提案をしてくることが多いからです。

しかし、企画が固まっていない段階で導入すると、「営業力を強化するために何をすべきか」が不明確なままツールだけが導入されることになります。その結果、結局使われなくなってしまうのです。

企画がまとまるまでは、ツール選定を急がないことが大切です!

コンサル会社に「丸投げ」はNG

大企業では、企画作成をコンサル会社に依頼するケースもあります。しかし、企画を完全に丸投げしてしまうのは避けるべきです。

確かに、コンサル会社が作る企画書はロジカルで完成度が高いものが多いですが、それはあくまで「コンサルが作った資料」であり、自社の社員が主体的に考えたものではありません

そのため、「この企画書の通りにやればいい」と受け身になってしまい、現場の納得感が得られず、結局うまくいかなくなるのです。

コンサルを活用するなら、自社で考えた企画をブラッシュアップするためのサポート役として使うのが理想です。

まずは「企画をまとめる」ことが最優先!

CRM/SFAの導入を成功させるためには、「ツール選定」よりも「企画づくり」が何よりも重要です。多くの企業が陥りがちな失敗を避けるためにも、まずはしっかりと準備を整えましょう。

ポイントのおさらい

  • ツール選定から入ると失敗する可能性が高い
  • まずは「何を、どのように、いつまでに実施するのか」を企画書にまとめる
  • 企画が固まるまではツールベンダーとは距離を置く
  • コンサル会社に丸投げせず、自社で主体的に考える

ツール導入はゴールではなく手段。本当に営業力を強化し、成果につなげるために、まずは「何をどう改善するのか?」を企画の段階でしっかり固めていきましょう!