企業の成長を加速させるために顧客関係管理(CRM)システムの導入を検討されている方は多いのではないでしょうか。
そして導入費用がどれほどかかるのか、その投資に本当に価値があるのか気になるところですよね。
本記事ではCRM導入にかかる費用の相場や、導入検討時に注意すべきポイントを徹底解説します。
これからシステム選定を進める予定がある方はぜひ参考にしてください。
CRM(顧客管理システム)とは?
CRMとはCustomer Relationship Management(カスタマーリレーションシップマネジメント)の略称であり、直訳すると「顧客関係管理」という意味です。
読んで字のごとく、顧客との関係性を構築し適切に管理することで、関係性を強化するためのマーケティング手法を指します。
そして顧客との関係構築と維持をスムーズに行えるようサポートしてくれるのがCRMツールです。顧客の情報や過去の取引履歴、問合せ内容などを一元管理することで顧客満足度向上をアシストしてくれます。
CRM導入の相場は?
CRMに限らず、ITツールは提供ベンダーによって導入費用が大きく異なります。
これは各ベンダーが提供する機能、サポート体制、カスタマイズ性の度合いなど、さまざまな要素で他社と差別化をしているからですね。そのため、各ツールの費用相場を比較するのは非常に難しいのです。
とはいえ、詳細を調べる前に判断基準として、‘ざっくりでもいいから相場を知りたい!’と思いますよね。
Copilotに聞いてみた
ChatGPTの登場以来、話題にことかかない生成AI。
こういった相場のリサーチは得意なはず……さっそく聞いてみましょう。

ちなみにCopilotを使うのに深い理由はありません。

さくっと相場をリサーチしてくれました。
Copilot調べでは「クラウド型」「オンプレミス型」「個別開発型(スクラッチ型)」の3タイプで費用感が異なるという結果に。
1. **クラウド型CRM**:
- **初期費用**: 無料~10万円ほど
- **月額費用**: 1ユーザーあたり無料~1万円ほど
- **特徴**: 手軽に導入でき、システム保守や管理の手間が少ない。
2. **オンプレミス型CRM**:
- **初期費用**: 50~200万円ほど
- **ランニングコスト**: 1ライセンスあたり5~10万円ほど
- **特徴**: 高いセキュリティを確保でき、自社のニーズに合わせた柔軟なカスタマイズが可能
3. **個別開発型CRM**:
- **初期費用**: 200万~500万円ほど
- **保守費用等**: 要見積もり
- **特徴**: 完全オーダーメイドで作成され、自社の独自システムとのスムーズな連携が可能。
企業の規模やニーズに応じて最適なタイプを選ぶことが重要です。どのタイプがあなたのビジネスに最も適しているか、具体的な要件を考慮して選ぶと良いでしょう。
他に気になる点や具体的な質問があれば、どうぞお知らせください!
CRM導入費用の相場をタイプ別に比較
さて、Copilotがだした3タイプ、どう違いがあるのか。せっかくなので、F-revoCRMを提供しているベンダー目線で比較し深堀してみます。
【クラウド型CRM】
クラウド型CRMは、インターネットを通じて利用できるCRMシステムのことです。近年よく目にするようになった「SaaS」サービスはだいたいこのタイプです。
特別なソフトウェアをインストールする必要がないため、WEBブラウザから簡単にアクセスできるのが最大の特徴です。
- どこからでもアクセスできる
- 初期費用をおさえられる
- 自動アップデートされる
- **初期費用**: 無料~10万円ほど
- **月額費用**: 1ユーザーあたり無料~1万円ほど
クラウド型は、導入側・提供側双方にとって一番手間がかからないタイプ。
そのため、3タイプの中では一番コストをおさえて導入が可能です。
しかし、初期費用はともかく、月額費用の「1ユーザーあたり無料~1万円」ですが、無料のほとんどはトライアル期間のことかもしれないですね。
もちろん、ごく少数ですが無料プランがあるCRMもありますが、だいたい人数や機能、ストレージに制限が設けられています。5~10名程度の小規模・スタートアップであれば、無料プランの内容でも事足りるかもしれません。
また、クラウド型で選定するのであれば導入後のサポートの用意がされているのかも確認しておくことをおすすめします。 Copilotのだした相場内容ではサポート費用が含まれてなさそうですが、CRMは導入したら「すぐ運用できる!」というわけではないので、運用に向けたインポート作業やデータ構成など、相談にのってくれるようなサポートがある製品か、選定時によく確認しましょう。
【オンプレミス型CRM】
オンプレミス型CRMは、企業が自社のサーバーやPCにインストールして使用するCRMシステムのことです。これによりデータやシステムを自社内で管理することが可能です。
オンプレミス型は、大企業や高度なカスタマイズが必要な企業が導入している傾向があります。
- 高いカスタマイズ性
- セキュリティの管理がしやすい
- オフラインでも利用できる
- **初期費用**: 50~200万円ほど
- **ランニングコスト**: 1ライセンスあたり5~10万円ほど
オンプレミス型の導入コストですが、正直要件によって幅があるので、これを相場として基準に検討していいかというと、あまり首を縦に振れないかなというのが正直なところです。
例えば、システムのセットアップだけで他にアドオン開発をしないのであれば、オンプレミス型の場合でも比較的低予算で導入は可能です。
ただ、前述したとおり「大企業や高度なカスタマイズが必要な企業が導入している」傾向があるんです。
高度なカスタマイズをする場合、当然システム要件定義が必要ですし、もともと使っている外部システムと連携したいとか、導入前後のサポートもしてほしい!となると、要件によっては、個別開発型(スクラッチ型)と同等ぐらい予算がかかることもあります。
【個別開発型CRM】
個別開発型はスクラッチ開発とも呼ばれる「ゼロからシステムを開発する」ことを指します。
これにより企業の特定のニーズや要件に完全に合わせたカスタマイズが可能になります。
企業のニーズに完全に合わせられるなら、個別開発型がいいのでは?と思いますよね。
- 完全なカスタマイズ
- **初期費用**: 200万~500万円ほど
- **保守費用等**: 要見積もり
とはいえ、時間もコストも個別開発型が一番かかります。完全オーダーメイドですから、これはもう仕方ないでしょう。
そして相場、“初期費用:200万~300万円ほど”“保守費用:要見積もり”とありますが、この要見積もりを知りたくなりますよね、どのくらいなの?って。
この辺は提供側や要件によって変わるので一概にいえませんが、中規模のプロジェクトならトータルコストは1000~2000万円、大規模であれば2000万円以上はかかる印象です。
CRM導入費用の実例~F-RevoCRM(エフレボCRM)の場合
せっかくですから実例としてF-RevoCRMとCopilotのだした費用相場を比較してみます。
F-RevoCRMはOSS(オープンソース)をベースにした統合型顧客管理システムです。
OSSの特性を活かし、情報を一元管理することで、マーケティング、営業・商談管理、見積依頼、サポート、問合せ管理など顧客に関連するあらゆる業務を効率化する機能を備えたCRMです。
F-RevoCRMのライセンスプランは「F-RevoCRM Cloud」と「F-RevoCRM Enterprise」の2種類です。
F-RevoCRM Cloud
初期費用:無料
月額費用:1~10名で20,000円
クラウド型のプランですから、サーバーの構築費用は不要で初期費用は無料!
さて、月額費用ですがF-RevoCRM Cloudは「1ユーザーあたりいくら」という制度ではないんですよね。なので、う~ん安い?と首を傾げてしまう気持ちもよくわかります。
ライセンス費用として相場と比較するとお高く感じてしまうんですが、実はF-RevoCRM Cloudはヘルプデスクサポートも含めた価格なんです。
ライセンス費用(ユーザー数×○○円)だけの契約だとサポートなしで、別途オプションとして上乗せしないとサポートを受けられない製品も多いんですが、CRMは製品問わずツールとして使い方が難しいので、F-RevoCRM Cloudはサポート込みのプランにしています。
なので一概に月額費用が相場より高い、とは言えないんです。

また、F-RevoCRM Cloudは小規模で導入して横展開しやすいプランになっています。
CRMの製品サイトによくブログとかお役立ち情報があると思うんですが、だいたい「CRMはスモールスタートがおすすめ」と書かれているほど、小規模で導入して横展開が導入成功の必勝法といわれています。
CRMを自社だけで運用するのは、思っているよりとてもハードルが高いので、導入後もしっかり使われるシステムを目指して“スモールスタート”しましょうっていうことなんです。
それはF-RevoCRMも同じで、まずクラウド型でスモールスタートして、CRMの運用に慣れたら社内で横展開できますし、「もっとこういう機能があったらいいのに!」となった場合を想定して、Enterpriseに移行もできるようにしています。
F-RevoCRM Enterprise
初期費用:無料
月額費用:1~10名で20,000円
さて続いてEnterpriseプランです。
F-RevoCRM Cloudと比べ、オンプレミスかクラウドのどちらでも導入が可能、アドオン開発もOKなプランです。
F-RevoCRM Enterpriseは、月額費用も初期費用もミニマムだけ公開していて、基本的に都度見積なのですが…
「もっと詳細を公開してほしい」と思いますよね、私も製品選定する立場なら同じように考えると思います……。
「なぜ都度見積なのか」ですが、初期費用は、当然ながら「アドオン開発がどれくらいあるか」、「どのような内容なのか」によって変動するので都度見積になりますよね。
開発がゴリゴリにあるサポートと、小規模な開発のサポートでは専門性やボリュームのウエイトが違うので月額費用(ライセンス費用+アドオン保守費用)も要件によって変動してしまうわけです。
そのため、月額費用もミニマムしか公開していません。
CRM導入費用の事例
とはいえ、もう少し判断材料がほしい!ところですよね。
そこで実際にF-RevoCRM Enterpriseを導入してどのくらい費用がかかったのか、事例を紹介します。
ケース①A社の場合
業種:アウトバウンドがメインのコールセンター
導入理由:CRMをCTI連携利用して、コールセンター業務の効率を向上させたい。
【初期費用】
アウトバウンド(企業側から積極的に顧客にアプローチする営業手法)型のコールセンターでCRMをCTI連携して、業務を効率化したい!といった目的でF-RevoCRMを導入しています。
CTIとは電話システムを連携させる技術のことで、架電や受電といった電話の機能も全部PCの画面でできるから効率的!っていうものです。
電話応対がメインのコールセンターでよく導入されているシステムです。
顧客データの確認も、電話の操作も、履歴の入力も一つの画面で行えるようにF-RevoCRMとCTIシステムを連携させる、という連携対応に加えて、電話の架電と履歴入力がより「簡単・便利」にできるようなカスタマイズを開発をしています。
そして導入コンサルですが、これはF-RevoCRMを導入する際に支援しますよ~というオプションサービスですね。詳しくは↓をご覧ください。
ケース②B社の場合
業種:空調設備のアフターサービス
導入理由:営業製造サービスからアフターサービスまでの業務を一元管理化したい。
【初期費用】
…etc
何が詳しい事例だ!と言われても反論できないくらいざっくりな内容で申し訳ありません……。
細かい内容が多すぎて、公開したところで参考になるかというと…う~ん、という感じだったので……。
このケースはラーメン屋さんの「オプション全部のせ」のような対応内容だったため、ケース①に比べるとトータルコストは高めです。
ただ、上には上があり、全部のせどころか「かろうじてスープは一緒ですね…」という、F-RevoCRMの要素はあるものの、もはや個別開発型並みの独自的な仕上がりというケースもあったりします。(もちろんコストは全部のせより高くなります)
それでも、導入を決めてくださった企業さまいわく「スクラッチ開発よりは低コスト」と評価をいただくことが多々あるので、ネット上で公開されているコストと実際の必要要件に対するコストはどうしても乖離してしまうのかもしれません。
まとめ
結局のところ、表面的な導入費用の相場は参考程度くらいに思っておいたほうが良いです。
相場に比べて、この製品は「高い/安い」というだけで判断するというより、しっかり自社の要件を伝えて見積ってもらうほうがおすすめです!
また、重要なのはCRMを導入して自社で抱えている課題を如何に解決できるかであって、「コストをおさえてCRMを導入しよう!」ではないので気をつけましょう!