Interview-株式会社エステック

自動車の騒音・振動問題を中心に、幅広い産業の技術課題に対応する株式会社エステック。同社では従来、1つのプロジェクトにつき1つのExcelファイルを作成し、案件を管理していました。
年間100~200件にのぼるプロジェクトを抱える中で、担当者の負担となっていたのが、対象ファイルの探索や更新、マクロによる集計です。さらに、長年の改修によってExcel内の数式やマクロが複雑化。営業活動や見積、プロジェクトに関する情報もそれぞれ別々に管理され、案件の経過を横断的に追いにくい状況にありました。
こうした状況から、日々の更新・集計作業の負担軽減に加え、顧客との接点から営業活動、受注後のプロジェクト管理までを一つの基盤で扱える仕組みが必要になりました。
その要件を満たすシステムとして同社が選んだのが「F-RevoCRM」です。顧客管理、営業管理、プロジェクト管理を一つの基盤で扱えることに加え、自社の業務に合わせて柔軟にカスタマイズできる点が特徴です。導入・カスタマイズは、エステックの業務に合わせてシンキングリードが支援しています。
本記事では、株式会社エステックの海老澤氏、鹿田氏、白井氏に、Excelによる案件管理を見直した背景やF-RevoCRMの選定理由、導入後の活用方法と成果、さらに蓄積したプロジェクトデータの活用やAI活用を見据えた今後の展望について伺いました。

案件ごとのExcel管理からの脱却
エステックでは、プロジェクトマネージャーが自ら営業活動を行い、受注後の案件管理まで一貫して担ってきました。案件管理にはExcelを使用し、1つのプロジェクトにつき1つのファイルを作成。各マネージャーが更新したファイルをマクロで読み込み、経営数値を抽出する仕組みです。
年間100~200件程度のプロジェクトが動く中、特に負担となっていたのがExcelファイルの探索と更新でした。担当するファイルを探して一つずつ開く必要があるうえ、集計するにはすべてのファイルを最新の状態にしておかなければなりません。さらに、1つでもエラーがあれば集計できず、その対応にも苦労していたといいます。
こうしたExcelによる管理は、売上計上基準の変更などに合わせて改修を重ねるうち、数式やマクロも次第に複雑なものになっていきました。海老澤氏は、当時の状況を次のように振り返ります。

古いホテルをずっと増改築していくようなもので、計算も管理も非常に複雑になっていた
創業当初から使われてきたExcelによる管理の仕組みには、長年にわたって数式やマクロが継ぎ足され、内部の処理を把握することも困難になっていました。こうした状況を背景に、Excel管理の見直しは20年前から社内で議論されてきたといいます。
営業活動からプロジェクトまでの履歴が追えない
Excelによる案件管理に加えて、同社が課題としていたのが顧客・営業情報の管理です。営業活動の状況は、プロジェクト管理とは別の議事録用Excelに簡単に記録する程度で、プロジェクト情報とのつながりを把握しにくい状態でした。
見積情報も案件情報とは連動しておらず、営業活動がその後どうなったのか、最終的にどの案件につながったのかを一連の履歴として追うことが困難でした。そのため、過去の営業活動をさかのぼり、休眠顧客や停滞している案件を洗い出すことも容易ではありません。
Excelによる更新・集計作業の負担軽減に加え、顧客との接点から営業活動、受注後のプロジェクトまで、分散していた情報をどのようにつなげて管理するかが同社にとって重要な課題となっていました。
独自の業務に合わせられる柔軟性がF-RevoCRM選定の決め手に
課題解決に向けて同社が検討したのは、CRMをはじめとするクラウドサービスや、ローコード・ノーコードツールを活用した構築、外部事業者への開発依頼など、複数の選択肢です。
同社には独自の計算方法やプロジェクト管理の進め方があり、システムにはそれらに対応できる柔軟性が欠かせませんでした。しかし、一部のクラウドサービスでは必要なカスタマイズが難しく、一からシステムを構築する方法では高額な見積が提示されるなど、コスト面が大きなハードルとなっていました。
もう一つ、システム選定で重視していたのが、顧客管理や経営数値、プロジェクト管理を横断的に扱えることです。それぞれを別のツールで管理する場合、利用者は複数のシステムの操作を覚えなければなりません。
こうした選択肢との比較を経て、同社が選んだのが「F-RevoCRM」です。決め手となったのは、顧客管理や経営数値、プロジェクト管理を一つの基盤で扱えること、自社の業務要件に合わせてカスタマイズできること、そして他の選択肢と比べてコストを抑えられることでした。

プロジェクト管理や営業管理がワンパッケージで、かつ手を加えてもらえる。比較的コストも抑えられそうだった
現場に合わせたシステム構築
当初の計画では、費用を抑えるため標準機能を中心に使い、どうしても対応できない部分のみカスタマイズする方針でした。
しかし、構築途中に海老澤氏が実際の画面を確認すると、日々の業務で使うには操作面で見直すべき部分が見えてきました。そこで海老澤氏も本格的に構築へ参加。シンキングリードと相談しながら、現場で使いやすい画面や操作方法へと調整を重ねていきました。

ユーザーが困ると使ってくれなくなる。使ってくれなくなると一番困るのは経営側なので、避けなければいけない
具体的な見直しの一つが、プロジェクトの工数を入力しながら金額を確認できる画面設計です。初期の画面では、工数を入力した後に別の画面へ移動してボタンを押すなど、金額を確認するまでに複数の操作が必要でした。
同社では、工数を単純にボトムアップで積み上げるだけでなく、プロジェクト全体の金額を見ながら、必要なタスクや工数をトップダウンで検討します。そのため、工数を入力しながら金額を確認できることが重要でした。こうした業務の進め方に合わせ、工数を入力しながら金額を確認できるよう、画面構成を見直しました。
海老澤氏がシンキングリードの支援で特に評価しているのは、要望をまず受け止めたうえで、実現方法を一緒に考える姿勢です。最初から「できない」と線を引かれてしまうと、依頼する側も要望を伝えなくなってしまうため、まず話を聞いてもらえることが重要だったといいます。シンキングリードには要望を率直に伝え、そのゴールに向けて実現可能な方法を検討してもらえた点を評価しています。

まずきちんと話を聞いて、ゴールに向かって二人三脚してくれるところが一番よかった
こうした調整を重ね、問い合わせから本稼働まで約1年。運用開始後も大きな問題は少なく、比較的スムーズにスタートできたといいます。また鹿田氏も、カスタマイズの余地が大きいことに加え、相談内容によっては標準機能で実現できるなど、柔軟に構築できる点にメリットを感じています。
営業とプロジェクトの情報を一元化
本稼働後、同社は通常のプロジェクト管理をF-RevoCRMへ移行し、これまで別々に管理していた営業活動とプロジェクトの情報を同じ基盤で扱えるようになりました。現在は各マネージャーが日々の営業活動を登録し、毎週のマネージャーミーティングでは、レポート機能を使って営業状況の更新内容を確認しています。
F-RevoCRMでは、未受注案件の状況や将来の売上見通しに加え、受注後のプロジェクトの進行状況も確認しています。確定した売上は別のシステムで管理し、F-RevoCRMでは営業活動から受注後のプロジェクトまでの情報を管理することで、営業活動がどの案件につながったのかを一連の流れで確認できるようになりました。
顧客情報の管理方法も変わりました。従来、名刺情報はExcelで管理していましたが、その活用は主に年賀状やクリスマスカードの送付先管理などにとどまっていました。
現在は、受け取った名刺の画像を総務担当者へ送り、顧客情報としてF-RevoCRMに登録しています。蓄積した顧客・営業情報から休眠顧客や停滞している案件をリストアップし、その状況を確認できるようになりました。
月初処理を数時間から約10分へ
F-RevoCRMの導入後は、案件ごとのExcelファイルを探して一つずつ開く機会が減り、Excel関連の作業量は導入前の半分以下になったと海老澤氏は振り返ります。
なかでも負担が軽減されたのが、月初の処理です。従来は、担当するプロジェクトごとにExcelファイルを開いて処理する必要があり、正月やゴールデンウイークなどの休日でも対応しなければなりませんでした。

20個プロジェクトがあれば、20個Excelを開かなきゃいけない。正月だろうと、ゴールデンウイークの初めの休みだろうと、やらなきゃいけない。私は数時間かかっていたが、今は数分から10分くらいになった。だいぶ楽になったという感覚がある
現在では、こうした月初処理が数分~10分程度に短縮され、担当者の負担が大きく軽減されています。プロジェクトレビューも以前より効率的に進められるようになりました。
情報の蓄積から活用へ
F-RevoCRMの導入によって、同社では日々の業務を効率化するだけでなく、蓄積したデータをリソース管理やプロジェクトの振り返りに活用するための土台も整いつつあります。
現在は、エンジニアのリソース状況を確認できるほか、各マネージャーが個別のExcelで管理していたWBS(作業分解構成図)についても、F-RevoCRMに集約できる環境が整いました。一方で、これらの活用はまだ途上にあり、今後さらに運用を進めていく考えです。
従来、リソースの状況把握は、グループマネージャー同士の口頭でのやり取りや感覚的な判断に頼る部分がありました。WBSもプロジェクトごとに個別管理されていたため、案件が遅れた理由などの情報が残らず、後から振り返ることが難しい状況でした。今後目指すのは、リソース状況の数値による把握と、プロジェクトの進行過程を記録・蓄積し、振り返りに活かせる環境づくりです。
その先に見据えているのが、蓄積したプロジェクトデータのさらなる活用です。現在、プロジェクト終了後には、顧客満足度や収支についてマネージャーが評価しています。今後はこうした評価に加え、案件の種類やリソースの使い方とプロジェクトの結果との関係についても、蓄積したデータをもとに客観的に振り返ることを目指しています。

こういう仕事の種類はどうもうまくいきにくいとか、こういうリソースの使い方はどうなんだろうとか、そういうことをデータの側面で振り返り、AIと対話しながら何かできれば、すごくいいなと思っています
同社には、過去約30年分のExcelデータも残されています。実現可能であれば、それらをF-RevoCRMに取り込むことも構想の一つ。将来的には、こうした過去のデータも含め、AIを活用したプロジェクトの振り返りや分析につなげていく考えです。そのためにも、まず取り組むのが、AI活用を見据えたデータの整備です。
Excel案件管理の刷新に必要な考え方

エステックでは、1案件につき1つのExcelファイルを作成する管理方法を見直し、F-RevoCRMへ移行しました。その結果、日々の更新・集計作業の負担を軽減するとともに、これまで分散していた営業活動とプロジェクトの情報を一つの基盤で管理できるようになっています。
システム選定で重視したのは、長年の改修によって複雑化したExcelを単に置き換えることではありません。独自の計算方法やプロジェクト管理の進め方に対応できる柔軟性に加え、顧客管理や営業活動、プロジェクト管理を横断的に扱えることでした。導入時にも現場の業務に合わせて画面や操作方法を見直し、実際に利用するユーザーが使い続けられるシステムへと調整しています。
導入後は、案件ごとのExcelファイルを一つずつ開いて処理する作業が減り、月初処理にかかっていた時間も数時間から数分~10分程度へと短縮されました。さらに、営業活動から受注後のプロジェクトまでを一連の流れで確認できるようになり、現在はリソース管理やプロジェクトの振り返りに向けたデータ活用にも取り組んでいます。
今後見据えているのは、蓄積したデータをプロジェクトの振り返りに活かし、将来的なAI活用へとつなげていくことです。エステックの事例からは、Excelによる案件管理を刷新する際、作業の効率化だけを目的とするのではなく、自社の業務に適した運用を実現できるか、さらに蓄積したデータを将来どのように活用していくかまで見据えてシステムを検討することの重要性がうかがえます。

| 社名 | 株式会社エステック |
| 住所 | 〒231-8315 神奈川県横浜市中区本町6丁目50−1 |
| サイト | http://www.estech.co.jp/ |
Excelでの案件管理に限界を感じていませんか?
エステックの事例は、CRMを顧客管理だけでなく、営業活動から受注後のプロジェクト管理までを一つの基盤でつなぎ、業務効率化とデータ活用に活かしている好事例です。
「Excelでの案件管理に限界を感じている」「営業とプロジェクトの情報を一元化したい」「自社の業務に合わせてカスタマイズしたい」とお考えでしたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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