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【やまと診療所様インタビュー】F-RevoCRM Cloudで医療現場の課題を解決

星野リゾートの挑戦

コロナ禍の波もようやく収束に向かおうとしている中、医療現場も大きな転換期を迎えようとしている。
「在宅医療」もそのひとつだ。

現在、高齢者を中心に在宅での治療を希望する患者は多数存在する。在宅医療とは、そうした患者を請け負い、メディカルソーシャルワーカー(MSW)などの医療従事者が家にいながら患者の治療を行うことをいう。しかし、従来の電子カルテでは在宅医療の患者を管理するのは困難で、患者の治療履歴や入院状況などはMSW自身が把握しなければならないのが現状だ。
そんな背景の中、患者管理を行う上でF-RevoCRMCloudの有効性に注目し導入に至ったやまと診療所様にお話をうかがった。


1.医療法人社団焔 やまと診療所について


医療法人社団焔 やまと診療所は「自宅で自分らしく死ねる。そういう世の中をつくる。」という理念のもと、「自分らしく死ねる」とは「最期まで自分らしく“生きる”」ことだと考え、自宅で自分らしく過ごせる在宅医療(訪問診療)を東京都で提供している。同法人が作った医療グループTEAM BLUEでは、在宅医療の他に、地域包括ケア病棟、訪問看護ステーション、訪問リハビリテーション、訪問歯科を展開している。
2030年には看取り難民が47万人に達するといわれている社会課題に対して、質の高い在宅医療サービスを広げ、最期まで自分らしく生きることができる社会の実現を目指している。



今回、在宅診療所・病院の新規患者数の可視化を目的として「F-RevoCRM Cloud」の導入を行った医療法人社団焔 やまと診療所(以下、やまと診療所と称する)。

もともとは、新規患者の受け入れを電子カルテとスプレッドシートで運用していた同診療所。
なぜ、CRMツールの導入に至ったのか。また、なぜF-RevoCRM Cloudなのか。

その背景と導入後の変化についてやまと診療所 事務長の武藤氏にお話を伺った。


2.CRMツール導入のきっかけ


~なぜシステム導入に踏み切ったのか~

医療機関や介護事業所の間をとりもつMSW(メディカルソーシャルワーカー)が、診療所・病院の新規患者受け入れの目標を管理するには、クリアしなければならない課題が3点あった。


課題1.リアルタイムな進捗管理ができていない




受け入れの実績だけであれば、電子カルテの統計情報から確認することができる。しかし、電子カルテの情報は月末に一括でしか集計できず、リアルタイムで進捗を追うことができなかった。一般企業で例えるなら営業担当者がスケジュールや実績などを個人の手帳で管理していて、月に一度進捗が共有されるような状況だ。


課題2.紹介患者の全体数を把握できない




医療機関や事業所で紹介された患者数=受け入れ患者数ではない。患者の病状や生活状況、診療所側のキャパシティも鑑みて受け入れが可能かどうか判断していく。受け入れになる患者もいれば、他の病院に入院が決まりキャンセルになることも、キャパシティの都合上受け入れができない場合もある。
その為、紹介数全体を把握するにはキャンセルも含めた統計をとる必要があるのだが、電子カルテではキャンセルとなったケースは記録しない場合もあり 、純粋な紹介数を把握することが困難だった。


課題3.活動管理の属人化




受け入れ前の紹介患者の情報は電子カルテには記録しない場合もある 。つまり、紹介から受け入れまでの進捗もMSWの各担当者がそれぞれで管理していた為、受け入れ患者になるまでの進捗を把握することができなかった。

上記課題を解決するために、まずはスプレッドシートを用いて紹介患者数の管理を始めた。徐々に可視化は進んだものの、スプレッドシートの扱いにくさや、数式構築内容の属人化という新たな課題も生まれてしまい、本格的にCRMツールの導入を進める決断に至った。


3.F-RevoCRM Cloud導入までの道のり


~なぜF-RevoCRM Cloudなのか~


CRMツールの本格導入を決断し、医療業界向けの2社とF-RevoCRM含む一般企業向け2社の計4社が候補に上がった。
医療という特殊性・専門性の高い業務であれば、医療業界向けに特化したCRMツールの方が業務内容にあっているように思えるが、4社それぞれトライアルを実施し最終的にF-RevoCRM Cloudを導入する決断に至った。

なぜF-RevoCRM Cloudなのか。決め手になった理由は、大きく分けて3つある。

①リアルタイムでのステータス管理とデータ共有


医療業界向けCRMの2社はダッシュボードの機能がとても充実していたが、現場の業務効率改善のための機能というより、経営側が各種判断を行うための機能という印象を受けた。また、医療業界向けCRMでは、リアルタイムで情報を管理できないことが懸念点だった。
データの入れ込みが自分たちでは行えず、取り込みたいデータがあっても運営会社にデータを連携する必要がある為、どうしても反映までに2~3日のタイムラグが生じてしまう。
その点、一般企業向けCRMとF-RevoCRMはデータの入れ込みが自分たちで行える。
ダッシュボードの機能性を差し引いてもリアルタイムでのステータス管理とデータ共有ができるメリットが大きかった。

②機能の充実と設定の自由度


医療における顧客というと、診察を受け入院する患者をイメージしてしまう。しかし今回のようなケースの場合、医療機関や介護事業所などから患者を紹介してもらうことを踏まえると、紹介元である医療機関や介護事業所などが主な顧客と捉えることもできる。


その為、一般企業向けを想定しているCRMの機能の方がマッチングしている部分が多かった。さらにF-RevoCRMは自由度が高く、すべてとはいかずとも業務内容にあわせて機能を絞ることができ、エンジニア知識などの専門性がなくとも設定ができる点もポイントの一つだ。
実際、無料トライアル期間中に『管理しやすい・使いやすい』形まで設定することができた。

もちろん、戸惑った場面もある。特にデータ構成の設定は頭を悩ませた部分だ。

一般企業を前提としている為、デフォルトのデータ構成だと“顧客企業”や “案件” など医療業界とは馴染みのないモジュール名ばかり。しかし、モジュール名※を変更できることがわかり“顧客企業”を“紹介事業所・病院”に、“顧客担当者”を“紹介事業所・病院の担当者”、“案件”を“患者”といったように自分たちの業務に合わせたデータ構成が定まると、その先の設定はさくさくと進んだ。
※データを格納する箱のようなもの。
 1つのモジュール内に、関係するデータをまとめて格納することで情報の整理をしやすくする。


データのインポートもスプレッドシートの管理を経たことが功を奏し、入れ込む形を整えるだけだった為、苦労することなく済んだという。
また設定でわからないことが出てきてもカスタマーサポートに質問をすれば、即日ないし翌日には回答があったので長時間手が止まることはなかった


③コストパフォーマンス


医療業界は全体的にシステム投資にあまり積極的ではない傾向がある。その背景は利益創出の構造が要因として挙げられる。

一般的な企業だと事業を作り、売上を上げればそれに伴って利益も上がっていく。
しかし、医療業界の場合は保険の点数である程度天井が決まってしまう。天井が見えている中、どのようにコストを削減していくかが重要なポイントとなってくる。

在宅医療中心の診療所であれば、天井はありつつもある程度柔軟に患者の母数を増やすことができる。しかし、病床数という明確なキャパシティがある病院の場合は完全に頭打ちになってしまう。ともなれば、システム投資に後ろ向きになることも頷ける。

今回のCRMツール導入に関しても例にもれず、選定基準の中でコスト面、費用対効果の比重は大きかった。4社のトライアルを経て、やりたいことができると感じたのは一般企業向け2社。一つは業界最大手企業の有名CRM、そしてF-RevoCRM Cloud。大手CRMツールの機能は十分すぎるほど充実していたが、その分初期費用も1アカウントあたりのコストもかなりかかってきてしまう。その点、F-RevoCRM Cloudは機能が充実しつつも、初期費用はかからず月額費用だけでミニマムスタートができることが最終的な決め手になった。


4.F-RevoCRM Cloudで実現できたこと


トライアルの末、4社の中から選ばれたF-RevoCRM Cloudだが、実際にシステムを導入し、業務上どのようなことが実現できたのだろうか。

①体制の変化と業務改善


システム導入におけるメリットは大きく、当初目的として挙げていた新規患者数の可視化が叶ったことに加え、 リアルタイムで情報を共有できることから、今までの体制を変化させ新規患者の入力作業を事務が担い、MSWの負担軽減を実現。 案件の進捗状況も求められる度に手作業で計数していた実績も、常に可視化されているので余計な作業がなくなり、本来の業務に専念することができるようになった。



②活動状況の共有と柔軟な戦略検討


月に一度、共有されていた実績や進捗をリアルタイムで追えることにより、目標に対しての戦略が月途中でもとれるようになった。また、他のBIツールと組み合わせることで紹介元の医療機関や事業所等を分析でき、戦略作りに役立つとの声も上がっている。 数値的な効果という点では、まだまだ大きな変化がでていないのが実情だが、今後継続的に利用していくことで見えてくる部分だと考えている


5.今後の展望



現在、紹介患者の受け入れまでの進捗をF-RevoCRM Cloudで管理している。
患者の“自分らしさ”に寄り添うやまと診療所では、したいことや家族との関係など、患者の周辺情報を重要視し、電子カルテに記録している。しかし、そういった患者の周辺情報をF-RevoCRMで管理するには個人情報保護の部分で診療所・病院側でどのように管理するかという課題をクリアする必要がある。

個人情報の取り扱いは医療業界全体としても様々な課題がある。CRM選定の中でトライアルした医療機関向け2社の難点は、リアルタイムで管理ができない点だけではなく入れ込んだ患者の個人情報がほぼ全て見ることができなくなってしまうという問題があった。そこには医療情報が要配慮個人情報に分類されることで、より取り扱いの制約が厳しくなるという背景がある。こういった個人情報の課題は医療従事者間でのデータ共有や連携の困難さにも繋がる部分でもある。

いずれは地域のPFM(Patient Flow Management)を可視化したいと武藤氏は語る。PFMとは、患者が入院する前の診察段階から、必要な情報を収集し、入院中や退院後の生活を見越した支援を行うことだ。
やまと診療所で診ている患者の中では、様々な理由で突然の入院があり、その後、自宅に帰ることができず、在宅医療の介入が終了する場合がある。
この間に、患者がどのような疾患の経過をたどり、意思決定をされているかは不明な場合がある。このように自宅に戻れないとされた患者の経過がどうなっているのか、PFMの可視化を地域で行っていくことで、患者にとっての医療の形がより良くなるだろう。

PFMの可視化や地域包括ケアを目指していくうえでも、F-RevoCRM Cloudを導入したことによって、チームで現状を把握してどうアクションをしていくのかという部分や、MSWの働き方が変わって、一人あたりに担当できる患者の母数が増やしていければと考えている。
自分の抱えている案件の整理というのは業界を問わず重要で、この点が業務効率の向上や正確性にも繋がってくると感じている。そういう意味でもデータを構造的に把握し、自分たちで入力しているデータの形を可視化していけば、より仕事が楽しくなってくる。そういうことが実現できるツールがF-RevoCRM Cloudだと武藤氏は語る。


諸外国に例をみないスピードで高齢化が進んでいる日本では、年々医療や介護の需要は高まっている。2030年には47万人の看取り難民が発生するといわれている社会課題に対して、最期まで自分らしく生きることができる社会の実現を目指し果敢に取り組んでいるやまと診療所のもとでF-RevoCRM Cloudの導入が課題解決の足掛かりになれば幸いである。




やまと診療所


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