CRM導入の目的・・・その6


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さて今回からは、業務改革・改善の目的(目標)がテーマです。

2000年頃のCRM導入ブーム

その前に少し昔話をさせていただくと、CRMシステムは、2000年前後にブームがありました。
大企業がこぞって導入し、プロジェクト予算は数十億~数百億という壮大なものです。

ご存じの方も多いと思いますが、この当時に導入されたシステムは、ほぼ全滅しています。
この当時のCRMはマーケティング発想で、その名の通り顧客との関係をどう築くかに焦点があてられていました。

なぜ導入失敗に終わったのか

理想論としては間違ってはいないのですが、現実論としては間違っています。
マーケティング発想で、「あるべき顧客との関係」を夢で描いても、営業の現場は、日々売上作りに追われているのです。
システムを導入したからと言って「夢」を実現できる筈もありません。

営業の現場というのは、合併や倒産危機など、よっぽどの事がなければドラスティックな変革はできないと思ってください。
なぜなら、営業は今までずっとその「やり方」で売上を挙げてきたからです。

もちろん経営の方針として「顧客との理想の関係作り」というテーマを掲げ、目指すことは全く否定しません。
しかし、CRMシステムを導入する際の「業務改革・改善の目的」は、あくまで現状行われている「やり方」を、具体的にどこを、どう変えるか? にターゲットを定める必要があります。

業務の「改革・改善」という言葉

ところで、今まであえて「改革・改善」と併記してきましたが、プロジェクトを進めるにあたって「言葉」は非常に重要です。
少なくともプロジェクト内においてはメンバー全員が「共通言語」で話をしなければ上手く進みません。

そもそも似て非なる「改革」と「改善」は言葉の定義が違います。

「改革」とは現状を否定することから始めて新たな世界を切り拓く
「改善」とは現状肯定の観点から改良を加える

……と言った具合です。

プロジェクトの目的・目標を立てる際に、この取組が「改革」なのか「改善」なのか、明確にせずに進めるのは愚の骨頂です。
言葉の定義に従って「改革」ならば、現状の「やり方」を否定して新たな「やり方」を、「改善」ならば現状の「やり方」を前提に改良を、とすれば目的・目標を考える際にも自ずと違いが出てくるでしょう。

社内での明確な「改革・改善」の定義

そして企業それぞれに具体的な「改革」と「改善」の定義があって然るべきです。

たとえば弊社では、営業組織の能力を決定付ける内部要素を「価値基準」「マネジメント」「資源」という3点で示しています。
価値基準はいわゆる◯◯至上主義と見れば分かりやすく、営業の場合、「売上~」「利益~」「顧客満足~」「新規顧客~」「既存顧客~」にあてはめると、自社においても何かしらの価値基準に従って行動している事が認知できると思います。

次の「マネジメント」ですが、「とにかく売上を上げろ!」といった「売上至上主義」という価値基準に対して、日々どの様なマネジメントを取っているか? ということです。
成績の悪い営業マンは営業会議で立たせて長々と吊るし上げる……これも良いか悪いかは別として、一つのマネジメントかもしれませんね。

最後の「資源」は、営業組織の場合は主に「人」と言えるでしょう。
優秀な営業マンが組織内に何人居るか?はなんだかんだ言っても「組織の能力」において非常に重要です。
他には、IT環境が整備されている(いない)交際費(お金)がどの程度使える(使えない)なども要因として左右します。

プロジェクトに携わる全員の認識が重要

弊社では、「改革=トップダウン」「改善=ボトムアップ」と定義しており、「改革」が必要なケースは3要素のうち「価値基準」を変える場合と定義しています。
これを行うには当然大規模なプロジェクトを組み、トップ自らプロジェクトの陣頭指揮を取る必要があります。
もちろん「改善」であってもトップのオーサライズや支援は重要ですが、プロジェクトの指揮自体は現場の管理者級でも充分に可能です。

整理しますと以下のようになります。

1. 「業務改革・改善の目的」は、前提として現状行われている「やり方」を具体的にどこを、どう変えるか? にターゲットを定めることと理解する
2. そもそも自社における「改革」「改善」の定義を明確にする
3. 今回の自社プロジェクトは「改革」なのか、「改善」なのかをはっきりさせた上で目的(目標)を立てる

CRMシステムを導入する上で「業務改革・改善」が必要であれば、プロジェクトに携わるメンバー全員が自社における「改革」「改善」の違いを明確に認識して、これから実行するプロジェクトは「改革」なのか、「改善」なのかを念頭に、プロジェクトの目的・目標を考えることが重要であることをご理解ください。

まとめ

今回は非常に長文となりましたが、ここまでお付き合いいただいたことに感謝します。
次回はもう少し掘り下げたお話をしますので、またお付き合いいただければ幸いです。

久しぶりの野球ネタですが、とうとう広島のマエケンがメジャー入りしましたね。
しかも、その契約内容はこれまでになかった内容であるため、新聞その他で色々記事を目にします。
球団有利と言われる契約であっても(実のところはともかく)、メジャーのマウンドに立つ夢を実現したマエケンを個人的には応援したいと思いますし、日本人選手が世界最高峰の舞台で活躍してくれるのはやはり嬉しいものです。

それでは今回はこのあたりで。