さて今回は「CRM導入の目的」第2回となります。
前回の記事では、CRMシステム導入を控えた現場における、営業マンの会話を描きましたが、営業マンの本音をついているのではないかと思います。
営業マンの言い分にも一理ある
「システムと向き合ってるくらいなら、一件でも訪問を増やした方が良い」といった趣旨の発言をしていることから、営業マンとしてのマインドは決して間違ったものではなく、むしろ営業のあるべき姿勢として評価に値するものです。
外部コンサルタントやシステムベンダーの中には、「ペナルティ」や「インセンティブ」を用いてでも強制入力……といった発言もあったりするのですが、それは営業マンからすればどうなんでしょうか?
おそらく「ただでさえ忙しいのに、面倒が増えただけ」とか「システム入力が評価の対象?」とか、せっかく志ある営業マンもこれではモチベーションを大幅に落とすことは容易に想像がつくでしょう。
もしかすると、割り切ってしまって、何だかんだ理由をつけてシステムに情報を入力しないといったケースも考えられます。最悪の展開として、嫌になって競合企業への転職だってなくはないと思います。
漠然とシステム導入しても、上手く行かない
こんなことが現場で続くと、企業からすれば売上アップを見込んで、鳴り物入りで導入されたCRMシステムは、投資対効果どころかマイナスの結果を生み出すことにもなりかねません。
少し極端な話に聞こえるかもしれませんが、大なり小なり、これと似たような話は現実的に起きていて、しかも、未だにCRMシステムを導入すれば、営業が「見える化」され、「ソリューション営業」や「チーム営業」が実践できると勘違いして、漠然とシステムを導入してしまう企業が多いのも事実です。
それぞれの立場で「目的」は異なる
何でこんなことになってしまうのか……?
やはり「目的」が極めて不明確であるとともに、それぞれの立場で目的が異なっているとも言えます。
CRMシステム導入を決めた管理職
「CRMシステムを導入すれば、営業の見える化もできて、売上アップに繋がるに違いない!」
CRMシステムに情報を入力するよう強制される営業マン
「俺たちの行動を監視するため? 勘弁してくれよ……」
ついでに言えばCRMシステムを導入するベンダーの目的は、やはり「システムを導入してもらうこと」になると思います。
考えてみれば分かることですが、システムベンダーも時には表面的に「システム導入は目的ではない」と言いはするものの、システムベンダーにだって「営業ノルマ」もあれば、一件でも多く売りたいという気持ちもあります。
「システムを導入しても『チーム営業』なんて出来ませんよ」とは、なかなか思ったとしても言えませんよね(笑)
次回のお話は
それでは「導入の目的」って一体なんでしょう? どう目的を定めていくのが良いのでしょうか?
次回以降は導入の目的を少し掘り下げていきます。
そろそろ忘年会シーズン突入ですね。
毎年のことながら、
「今年こそは暴飲暴食を控えて……」 ⇒ 「結局、たらふく飲んで食った……」
これに正月が加わると、年明けには
「(ズボンをはいて)あれ?きつい……」
毎年恒例のスパイラルになっている気がします。
まったく懲りてません(笑)
それでは今回はこのあたりで。